【完】結婚させられました!?
◆◆◆
「え、音夜君のこと、ですか?」
放課後、部活が終わってから、お前の幼
なじみについて知りたいと言うと。
心優はきょとんとしたようにそう言った
。
アイツ、音夜っていうのか……。
「別にいいですけど……じゃあ、帰りな
がらお話しましょ!」
「ん。」
ニコニコと笑う心優に俺も僅かに微笑ん
で、その小さな手のひらを握った。
「えっと、名前は鷺沼音夜君で、小さい
時からずーっと一緒に居ました」
「それで?」
「んーっと……あ、中学生の時は皆の人
気者でモテてましたよ~?」
当時の事を思い出したのか、クスッと小
さく笑う心優。
……すっげーモヤモヤする。
自分で聞いたくせに、今すぐ耳を塞ぎた
い衝動にかられた。