【完】結婚させられました!?
「待ってるね!」
そう言いながら、二人、オレンジ色に染
まった公園で指切りをした。
だけど心優は全く覚えてないみたいだけ
ど。
むしろ、そんな昔の事をまだ覚えている
俺が、女々しいのか。
でも忘れることなんて出来なかった。
あの日の出来事は、俺の人生で一番の宝
物だから───……。
幼い約束だった。口先だけの約束がどん
なに儚いものかなんて知っていたのに。
いまだに幼すぎたあの日の俺らに縋りつ
く俺は彼女を手離せない。
例えばそれが、彼女の自由を奪うことに
なるのだとしても。
───小学校高学年頃から、心優の人気
は上がっていった。
気さくで楽しい心優は、男子からも人気
者で。