50音
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あみだくじ

「好きだ。付き合ってほしい」

セピア色の夕陽が眩しいな、と感じた。
彼の優しいところが私は大好きだ。
でも、なぜかもう一歩、気持ちを踏み出せずにいた。
彼の気持ちに答えられない。
イエスともノーとも。

運命論を信じる私は、彼に提案をした。

ノートのページを1枚切り取って、あみだくじを書く。
付き合うか、付き合わないか、6本の線に3本ずつ。
彼と私で適当に線を引く。これで終着点はもう不明だ。
「文句なしだからね」
そうして彼が選んだ1本の線を伝っていく。

……あ、たぶんここは……「付き合わない」だ……
そう思ったとき。

線を伝う鉛筆の芯が、ボキッと音を立てて折れた。

そうして彼はその芯を、これから伝う道の先に横にした。
指先で、そこからもう一度線を伝っていく。

「付き合う」
まさか、と文句を言いそうになったけど。

さっきまで運命論を信じていた私は
彼の折った鉛筆の芯の強さを信じることにした。
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