そんなあなたは先生でした…(下)

机に置いて、一口ほおばる。

「んー♡」

ケーキは王道の苺ケーキ。

大きい苺が上に乗っかっていて、
スポンジとクリームの間に苺がいっぱい挟まっている。


「礼様、疲れているときは甘いものですよ」

吉村さんがそう言った。

「これ、本当に美味しいです」

味の感想を言うと、吉村さんは少し頬を赤くして

「私が作ったものなんです」

と言ってきた。


「えっ!?」

吉村さんはいつもあたし達やお手伝いさんの分までの食事を作っている。


「ケーキは初めてだったのですが、
喜んでいただくて嬉しいです」


深々とお辞儀をする。





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