そんなあなたは先生でした…(下)
準備室に残ったあたし達。
「よかったぁぁー…」
安心したのかふっと力が抜けて
座り込んでしまった。
ポンポンと頭に一定のリズムを刻まれた。
「?」
「俺は嬉しかったなぁ。
礼が俺のことをあんな風に言ってくれて」
ニコッと微笑まれ、あたしは恥ずかしくなって俯く。
「礼はさ、俺を“ヒーロー”だって言うけど、俺にとっての礼は“天使”だから。
それも花の輪っかを付けてる可愛い俺専属の天使ちゃん」
て、天使?
「だから……」
陽はしゃがみ、あたしと同じ目線になる。
「だから、俺の前では幸せな顔してて…」
甘く囁かれ
唇が重なる。
空からは雨が止んでいた。