O.L.~Maple Honey Syrup~
「もっと俺を頼って」
『うん』
「何処にいても駆けつけるから」
『うん』



一葉の首に手を回し温もりを感じる。心の底から潤っていくのが分かる。



「俺は笑える場所であり、泣ける場所でありたいんだよ」
『ごめんね…』
「不正解」



そう言ってクスクス笑う。この笑い久し振りだ。



『ありがとう』
「どういたしまして」



暫く抱きしめられ、久し振りの唇を感じる。



此処がオフィスだという事を一葉も私も忘れた。



「チョコレート味だ」
『如月課長がくれた…』
「俺の前では三枝課長って言って」



俺以外を名前を呼ばないでと耳元に囁かれた。



声がダイレクトに耳に伝わり痺れる感覚に近い。



『三枝課長、彼女居るよ』
「それでも!彼女の口から他の男の名前なんて」
『私も嫌』



此処はオフィス…。そんな事は分かっている。



仕事が残っているのも分かっている。



でも、もう少しだけ一葉を感じさせて。



「今夜俺んち来て?」
『うん』



如月…三枝課長、明日から頑張ります。
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