キミじゃなきゃ。
「え、あっ、待って!」
帰ろうとする俺を花梨が引き止める。
『なんや?どうかしたん?』
振り返った俺に花梨が渡してきたのは…
『これ……』
「今日ね部屋の掃除してたら見つけたの。隼人…探してたでしょ?」
一時ものすごいお気に入りだったライター。
『…ありがとな。』
こんな些細なこと覚えててくれたんや。
嬉しくなって受け取ったライターを見つめる。
「じゃあ…バイバイ。」
するといきなり花梨は走って帰ってしまった。
今なら…引き止められそうやったんけどな。