行進曲「トイ・フール」





見下ろすと広がるのはいつもと変わらない、黒に浸食されていく街並み。



そこにあるモノクロの世界を、両目で見ても許されるのか。

世界の色を認識できないこの目で。



手の中の塊に目を落とす。





「…お前これ、赤じゃねえか」





目の前の嘘つきが笑った。










< 5 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop