俺が彼女を抱けない理由
「おー結城!!入ってくれたんだな。」


「あっ。。はい」


ずっと俺を誘い続けてくれていた陸上部顧問の小林先生。



その声にみんなの注目が集まる。



「期待してるからな」


「。。。」


今まで親にさえ期待してるなんて言われた事がなかった。







「あれ?もしかして110Hの香川さん?」



「おーすごいな今年の新入生は」


先輩達が言うには中学の時香川は110H(ハードル)でいい所まで行ったらしい。


「沙希ちゃんってすごい人?」


「何言ってんの?拓の方がすごいくせに!」


「いゃ俺は一人の力じゃないけど沙希ちゃんは自分一人の力だからさ。」


「まあね」


うわっあっさり認めやがった。


でもそんな香川とは仲良く慣れそうな気がしてた。




「じゃあ今日、1年はもう帰っていいから」


1時間ほど先生と先輩の話を聞いて、1年は自己紹介しただけでその日は解散になった。


「拓!一緒に帰ろぉ」


「えっ?方向どっち?」


「駅南」


「俺、方向微妙に違うけど?」


「あっそっか。じゃあ駅まで」


この日から香川と駅まで一緒に帰るのが当たり前になっていった。

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