ベストマリアージュ
だけど終わったことをいつまでもほじくり返してくる彼女に、うんざりしたのは確かだ。


「だからって!

寝ることないじゃない!」


それが言いたかったんだと、やっとわかった。


何かでそれを知ったから、会っただけじゃないから、私に文句言いたかったんだ。


だけど、ごめん。


私はこれからもっと意地悪を言う。


「だから、それも契約なのよ

私が会いたいって言ったら会うこと、寝たいって言ったら寝ること

ちゃんと書面に残してあるわ」


コーヒーはもうあと一口くらいしか残ってなかった。


最後の一口を飲み干して、彼女の言葉を待つ。


「あなた、それで空しくないの?

しょせん、彼は私のところに帰ってくる

この子の父親なのよ!?」


なんでこの子はこんなに不安なんだろう?


私はあれから一度も大地に会ってない。


それなのに今頃になってそんなことを私に言ってくるほど、追い詰められてる?


「その通りよ?

だから私はそれから大地に会ってない

もうこれからも会うことはないから

だから、安心してください」


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