ベストマリアージュ
とりあえず、中央にある大きなクリスマスツリーの前に立つ。


この間みたいな不安な気持ちは微塵もなかった。


遅れても必ず来てくれるってことがわかったから。


(プレゼント、喜んでくれるといいな……)


紙袋に入ったそれを眺めながら、にやける顔を止められなかった。


いろいろ遠回りしたけど、いよいよ今日、さとしと初めての夜を過ごすことが出来る。


長かったなぁ……と、目を閉じてしみじみとさとしとの軌跡を思い返した。


まさかあのお隣のさとしがあんなにいい感じに育つとは思わなかったし、おまけに付き合うだなんて夢にも思わなかった。


珠美ちゃん、なんて後をくっついてきてたのが懐かしい。


最近じゃすっかりさとしの俺様っぷりに振り回されてるけど、それも嫌じゃなかったりするんだから恋って不思議だ。


「おい、なに浸ってんだよ?」


ぶっきらぼうな言い方とは逆に、優しく頭に手が乗せられてハッとする。


慌てて目を開けると、口の端だけをあげて、いつものバカにしたような笑みを浮かべるさとしが目の前に立っていた。
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