ベストマリアージュ
「そういえば、こないだ大地くんから手紙来てたみたいだけど、なんだったの?」


私は気づかれないようにそっと溜め息をついた。


こういう明け透けなところが母らしいといえば母らしいのだが、最も苦手な部分でもある。


ほっといてほしいと思いつつ、住まわせてもらってる以上、そうもいかないのだと諦める。


「再婚するらしいよ?」


仕方なく、正直にそう答えた。


「えっ?もう?まだ一年たってないじゃないの!」


あぁ、もううるさい!そんなのあたしが一番そう思ってるっていうのに……


「離婚した理由が、他の子と一緒に暮らしたいだったんだもん

遅かれ早かれそうなると思ってたし、別にいいんじゃない?」


いいなんて思っていない。だけどそう思わなきゃやってられなかった。


「そう?あんたがいいならいいけどね?

また落ち込むんじゃないかって心配しちゃったわよ」


だったら言わないで欲しいと真剣に思うけれど、言わずにはいられないのが母親という生き物なのかもしれない。


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