ベストマリアージュ
「ちょっと!何とか言いなさいよ!」


私の言葉に反応するように、チラリと目だけでこちらを見る。


それから何かを思い付いたように、ニヤリと笑った。


「よし、俺が一緒に行ってやるよ」


返事をしたと思ったら、そんな驚きの申し出だった。


「は?なんでよ?一人で行けるし

あんたもせっかくの休みなんだから、私に構ってないで、彼女とか、こないだのあの子とか?、会ったらいんじゃない?」


髪の毛は確かに可愛くしてもらって感謝してるけど、こんなやつといつまでも一緒にいたら、身が持たない。


うるさいし、すぐ怒鳴るし、バカにするしさ?


「いや、髪を切ってやった時点で、俺の作品だ

その作品が、だっせぇ服着てたら、耐えらんねぇだろ?

だから、俺が選んでやる」


――選んでやる?


まあ、確かに自分がセンスがいいとは思わないけど……


美容師ってことは、もしかしたら服のセンスもいいのかな?


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