温め直したら、甘くなりました
「……集、もしかして仕事がないの?」
「え?あるよ。今まで通り安西が勝手にぎちぎちに予定を詰めるし」
「じゃあ、どうしてこんなに私と会う時間があるの?夜だって、毎週お店に来るけど大丈夫なの……?」
私が聞くと、集は急に真面目な顔になった。そして私を抱き寄せると、申し訳なさそうに呟いた。
「……本当は、ちゃんと時間を作れば、茜と過ごす時間はあるんだ。今までは、それを怠けていただけで……ごめんな、茜」
……なによ。
今まで散々おかしな行動を取っていたくせに、こんな風に正面から謝るなんて。
……調子、狂うじゃない。
「……言い訳は、聞きたくない」
「うん……ごめん」
すっかり大人しくなってしまった集がつまらなくて、私は彼を睨みながら、言った。
「……来週のデート、つまらなかったら許さないから」
「茜……うん、任せとけ」
おかしいな、元気を取り戻した集を見て、嬉しいなんて。
もしかしたらファーストキスのやり直しは、彼の思っている以上に、私に影響してるのかも……?