温め直したら、甘くなりました

「……私の健康と自分の性欲と、どっちが大切なのか。集の判断に委ねるわ」


「……どっちも同時に満たす方法があると言ったら?」



ああ、嫌な予感がする……

汗をかけば熱が下がるとか言うんじゃないでしょうね。



「どんな方法よ」


「……汗をかいて熱を下げる」



集。あなたって人は期待を裏切らないわね……って違う、期待なんかしてないわ。

ただの予想よ。そう、予想。



「茜。返事は?」


「……好きに、すれば?」



言った瞬間私の身体は宙に浮き、お姫様抱っこで寝室まで連れて行かれた。



「――布団、濡れちゃう」



まだ服を脱いでいないのに、ベッドにどさりと降ろされて私は慌てて背中を浮かせた。

同じく濡れた服が身体に張り付いてセクシーな集は、そんなことは気にならないという風に私の身体に覆い被さる。



「集ってば。服脱がないと布団が……」



言いかけた私の唇は、集の冷たい唇に塞がれた。

短いキスの後ゆっくり唇を離した集は、今度は私の耳に、吐息とともに言葉を吹き込む。



「……大丈夫だ。どうせ、茜が濡らす」



その囁きだけで、既に足の間からとろりとしたものが流れ出してしまったことだけは……絶対にばれたくないと思った。

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