ユリアノート
サツキ毒ガスでの死者は鈴木ミヨ、一名だけであった。

これを警察は事故として取り扱った。


同日の鈴木ミヨが死亡したほぼ同時刻に、山本教授は車ごと断崖から落ちて死亡していた。松木が電話をしたときには、既に死んでいたのであろう。

こちらは、事故と自殺の両面から捜査されることになった。

同じ職場の人間が別な場所で同時に事故で死ぬ。

このような偶然が起こるわけがない。

どちらの死亡も、事故や自殺が原因ではない。

もちろん、一般市民は報道されているように、事故か自殺と思うであろう。


しかし、これは殺人事件に違いがない!

松木真理子は、そう確信していた。


松木は、この日から 部屋に籠もり、一つの仮説をたてた。


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