ユリアノート
ルナア島作戦会議室

「メシよ、ナシャシャソはオサル殺害を拒否したぞ」
アキは作戦の失敗をメシに伝えた。


「仕方がありませんな。では、兄上、小型船を用意しますね」

「うむ。すまぬが頼む」
メシは船を一隻用意し、そこにナシャシャソの家族を乗せ、邪馬台国に送り届けました。

そうです。ナシャシャソがオサルを殺害しなくても(ユリア国の味方にならなくても)、ユリア国側はナシャシャソの家族に危害をくわえる気は全くなかったのです。このままユリア国にいても、ナシャシャソの家族というだけで、差別にあったり、攻撃されたりするので、アキの計らいで邪馬台国に引っ越しさせてもらったのです。


戦争中であっても、このような紳士的な行為をしたことは、美談として後の世に語り継がれました。

かの上杉謙信もこの話に憧れ、ライバルの甲斐国が塩不足で困っている時、甲斐国の武田信玄に塩を送ったことは有名です。



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