~secret garden of flowers~
何の事かわからなくて目をぱちくりしてたけど、彼の指の指す先を見て
---あぁ・・・夕日だと思っているのね
席を立って窓の方へ歩いて行く
「今は夕方ではないわ。ここは1年中この明るさなのよ」
「は!?」
「≪神の森≫の中だけど、ここは異界だから・・・あなたの傷を治すには、ここに連れて来るしかなかったの」
≪異界≫・・・普通の人間の住む世界とは全く異なった空間に存在する世界
彼は信じられないようで、辺りをキョロキョロと見回していた
初めて見る世界だもんね
信じてもらえるかしら・・・
---あれ?
彼が一点を見つめて固まっていた
何見てるのかな・・・?彼の視線の先を追ってみればシルフが楽しそうに飛んでいた
---あぁ、あの子を見てるのね
「おいで シルフ」
・・・ヒュゥッ---
私が呼ぶと差し出した右手の人差し指に乗ってくる
「この子は風の精霊でシルフって言うの」
「風の精霊だって!?」