~secret garden of flowers~
異界へと続く道を足早に向かう。
暫く奥に進んで行くと、森の結界を視界に捉えてシエルがホッと息を吐くのがわかった。
何も言わずに、私を仰ぎ見るとクイッと顎で合図をするシエル。
シエルの向こうに見える二本の樹を確認すれば、確かに異界の入り口だった。
「今日も、道案内ありがとう。シエルも一緒に行かない?」
お礼を言って、異界へ行こうと誘ったんだけど・・・
<いや、遠慮しておこう>
今日も首を縦に振らないシエルは、今迄一度も異界に足を踏み入れた事が無い。
本人曰く・・・
<我は異界の入り口を守る番人だからな>
「本当にシエルってば、頑固なんだから!」
私の文句にも、表情一つ変えずに聞き流すシエル。
狼だから、そんなに表情が変わる訳もないんだけど・・・
今日も入り口で帰ると言い張るシエルに小さく溜め息を吐いて、持っていた袋からシエルの分のケーキを取り出した。
