空を見上げて【短編】
でも、その瞬間プップーという音が聞こえた。

だんだんと車が近づいてくる。

あぁ…あたしこのまま死ぬのかなぁ?

なんて冷静な自分が怖く感じた。

あー…死ぬなら最後に…

あいつの声…聞きたかったな…

「桜っ!!」

「え?」

その瞬間ドンっと突き飛ばされる身体。

「痛……」

体を起こすとそこには、血を流して倒れこんでいるあいつの姿。

「…え?」

周りで救急車だ!と叫んでいる。

「…さ…くら…」

そういいながら誰かがあたしの手を握る

「そらっ!」

それは紛れもなく空だった。

「おれ…さ、好きだった…よ。桜の…こと」

「…あたしもっ!あたしも空が好き!だからもう話さないで!」

「…ごめん……て…つやに…伝えて?
…さ…くらをしあわせに…してっ…て」

「わかっ…たから……お願い……生きて!」

ツーと涙を頬が伝う。

「おれ…が言う…となんか…変…かもだけど……さくら…笑って?」

「笑えるわけないじゃない!こんな時に…!」

「そっか……じゃー…な…ち…び」

その瞬間、いままで繋いでいた手が重くなった。

「いや……いや!いやぁぁぁぁぁぁ!」

いつも助けてくれる君を好きになりました。

口は悪かったけど本当は優しい君がすきでした。

あの表情がすきでした。

だから、お願いーー……


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