ベッドから始まる恋。



「そっちは?」

「買い出し。さっきまでバタバタしててさ、こんな時間になっちゃった」

「へぇ…」



ちら、と見ると彼は伸びた前髪が邪魔なのかピンでとめている。

それはいい。寧ろ可愛いとすら思う。…けれど、問題はシンプルだけどピンク色をしたそのピン。



(ピンク色って…どう見ても女物)



そこにチラつくのは女の影



「?何?またそんな冷ややかな目で見て…」

「別に。よく似合ってるんじゃないの。ピンクのヘアピン」

「へ?あ、うん。今日食べにきたOLさんが邪魔そうだからってとめてくれて」

「へー…」

「確かに前髪邪魔だったし、折角くれたしと思ってつけてたんだけど…ってあれ?霞ちゃん?」



そう話の途中にも関わらず、私はズカズカとその場を歩き出す。


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