イジワルするのはキミ限定*
「おいユズコ、学校案内しろ」
「へ……っ?」
ガシッとつかまれた左腕。
それを引っ張られて、私は半ば無理やり立ち上がらされた。
「ほら、はやくしろ!」
「え……。ちょ、ちょちょっ……汪爾くん……!?」
すると汪爾くんが私の腕をつかんだまま、走り出してしまった。
え……。
ええええ……!?
な、なんなのこの展開は……!!
…………ていうか、水沢くん!
水沢くん置いてきぼりにしちゃったんですけどーーっ!!
ああ、今度こそ本当に……終わった。
私はそう確信したのだった。