イジワルするのはキミ限定*


やっぱり、水沢くんの顔も赤くなってる。



ほんのちょっとだけど。




「キミのせいだよ、これ。どうしてくれるの」



「そ、そんなこと言われても……」



「ちょっと僕、熱冷ましてくる」



スッとイスから立ち上がる水沢くん。



「う、うん。いってらっしゃい……」



「あー、もう。本当、最悪…」



そんなことをブツブツと言いながら、水沢くんは教室から出ていった。



顔の赤くなった、照れたような水沢くんの表情。



なんだか、水沢くんの意外な一面を私は見れた気がした――……。



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