月下の誓約


 既視感を覚える。
 和成は以前、紗也が会計情報を全消去した時、同じように証拠を突き付けて紗也にせまった。

 紗也の突き出した用紙を、和成はしげしげとながめる。
 それは城の正門の入退管理情報だった。


「電算機の操作方法をお教えした私がこんな事を申すのもなんですが、城の警備の安全管理情報は国家の重要機密のひとつです。御存知なかったのでしょうけど、私用で閲覧するのは犯罪行為ですよ」


 紗也は用紙を丸めて握りしめると地団駄を踏む。


「ごまかさないでよ! 私が犯罪者だって言うなら警察に突き出せば?!」
「そのような事はいたしません」


 和成の妙に落ち着き払った様子に、紗也は益々苛々して叫んだ。


「もう! ずるいーっ! 自分だけ外に遊びに行くなんてーっ!」


 和成は目を丸くして絶句し固まった。

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