【完】うしろの席のオオカミさん
目をぎゅっと瞑ったそのとき、
ふわっとミントの香りと温かさに包まれた。
「っ!うわ、いってぇー」
一定のリズムを刻む胸の音がこんなにもはっきりと聞こえる。
わたしのものじゃない。
わたし、今こんな落ち着いてない。
「ばか日向子。ケガしたらどーすんだよ」
「…………」
頭に顎を乗せられ大上くんがしゃべる度、頭が小さく揺れ動く。
学ランの第一ボタンだろうか。
おでこに当たってて少し痛い。
ていうか……えっと…
わたし、なんで抱きしめられてるの?