【完】うしろの席のオオカミさん
「あ、水瀬くん……」
もう受験が終わった水瀬くんは補習は受けていないはず。
なんで学校にいるんだろう?
図書室で会った日以来だな。
ちょっと、気まずいかも……
目を見て話せない。
「もう大上と関わるのやめなよ」
「え……?」
意味が分からず首を傾げて水瀬くんを見る。
「受験あるでしょ。大上は邪魔な存在にしか思えないんだよね」
水瀬くんの言葉が胸に突き刺さる。
心配してくれてるのは分かる。
でも……なんか、言い方が…
真剣に勉強をしている大上くんの横顔が頭にふっと出てきた。