【完】うしろの席のオオカミさん
分かった、と頷いてみせると水瀬くんはいつもの微笑を浮かべて教室へと入っていった。
水瀬くんとあんなに話せたの初めてかも。
いや、文化祭の時もちょっとしゃべったか。
水瀬くんってあまり大上くんのこと好きではないのかな…?
帰り道。
二人乗りをするカップルを見かけていつもならなんとも思わずに視線をはずすけど、今日は少し見つめてしまった。
そういえば、男子の後ろに乗せてもらったのって初めてだったな……
けっこう前のことなのに最近のように思える。
「……ま、また大上くん絡みだ…」
なんで大上くん絡みのことしか頭に出てこないんだろう。
もっと他のこと考えよ。うん。
今日のお昼ご飯なんだろなー。