【完】うしろの席のオオカミさん
離してよ。何度も言おうとはしてるけどなかなか言えない。
ふっと力が弱まった腕。
離れるなら、今だ。
「おい」
なんで。
なんで顔をあげてしまったんだろう。
今自分の身になにが起こってるのかよくわかっていない。
視界いっぱいに映るのは大上くんの顔。
でも近すぎてはっきりと見えない。
いや……真っ暗に近い。
唇に触れてる柔らかいものはなに?
「隙ありすぎ」
ふっと明るくなった視界。
大上くんの声。