神様が泣いたあと
四時間目のチャイムが鳴った。


「はい。じゃあ今日の授業はここまで」


先生の声と同時に教室が一斉に騒がしくなる。

「サッカーやろうぜ!」

「食堂いく?」

「あたし昨日サー」

「ノートみせてー!」



あちこちから大きな声が飛び交う。
解放感が充満した教室のなか、あたしは静かに溜め息をついた。
うるさい教室ではそんな小さな行動は一瞬でかき消されてしまう。

たとえば、こんなふうに


あたしが席をたって

教室を出ていっても


誰も気付かない。

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