【続】隣の家の四兄弟

さっきのアキラの一連の会話にも納得してると、聖二は構わず話し続ける。


「俺が、ここ最近ずっとモタモタしてんの見てたからな。三那斗たちは」
「聖二が……なに?」


モタモタしてたって、一体……。
もしかして……もしかすると――私のこと……?


「……あー!」


突然さっきまでよりも大きな声を上げた聖二にびっくりして目を丸くする。
ぱちぱちと目を瞬かせると、ハンドルに寄り掛かるように項垂れて聖二がごにょごにょと言い始める。


「仕方ないだろ。だって、どーみてもお前、チハルと居る時の方が楽しそうに見えたんだよ……!」


な……なんだって……?
っていうと、私が聖二よりもチハルと一緒にいるほうが楽しそうだから、聖二はそれで「やめるか」とかって言ったってこと?


唖然としていたら、後続車からクラクションを短く鳴らされて私たちはびくっとする。
慌てて車を発進させたあと、またしばらくお互いに沈黙。

二つ目の信号が近づいてきた頃に、私から口を開いた。


「……じゃあ、どうしてさっき、私を連れ出しに来たの?こんな…車に乗ってまで」


私がチハルと居た方がいいって思ってたんなら、なんで。
聖二はもう、「やめる」ってとこまで考えてたんでしょ?


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