ミリオンラバー
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「おはよう柚羽」

「真理ちゃん。おはよう」

うららかな春の日差しが降り注ぐ。

高校に入学して一か月が過ぎたころである。

「あんた今日も告白すんの?」

「もちろん!」

ガッツポーズで気合いをこめた柚羽を真理は冷やかに見つめた。

「へー頑張って…」

「だってさ、もうすぐ文化祭じゃん?それまでには絶対に両想いになりたいの」

真理のテンションとは反対に柚羽のテンションはどんどん上がる。

「よっしゃー!いくぞ!」

おー!と一人拳を空に突き上げ柚羽は駈け出した。
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