姫はワケあり黒猫様
『…………』
「お前みたいな………っ…何一つ苦労したことない奴が‼
俺の気持ちなんかわかるかよ‼」
夕季には、そんな風に見えるのか。
『………苦労、かぁ…』
「……」
『知りもしないのに、そんなこと言わないでもらえる?』
夕季は少し目を見開いた。
腕を振り払って野菜を炒める。
『……夕季は何で私が羨しいの?』
静かにそう聞くと夕季が拳を握り締めるのが見えた。
「……お前は…」
『私は、何でも持ってるから?』
そう言って麺を入れると少し音をたてて焼け始めた。