愛の協奏曲









そこから何日経ってもTオケメンバーは1人も来なかった


そしてなぜか私は学校中の生徒達に恨まれていた………………



「ほら、あれが桜木唯だって
光希様にお声をかけられたから調子に乗っちゃって」



「それ本当⁈やな子 いこいこ」



誰があいつに声かけられたら調子に乗ってるのよ


たかがそんなことで噂を立てるあんた達の方がずっとやな子なんですけど



そんなことを口に出すこともできず今日もストラディを抱えながら音楽室に向かう

たとえ1人もいなかったとしても………




しかし私にとって好都合でもあるかもしれない

誰もいない音楽室で思う存分好きなように弾けるから



それにしてもこんなに見られたの初めてだな〜

なんだかハリウッドスターになった気分




ってそれも言い訳のひとつなんだけど



そんな私の気持ちも知らずに今日も100点満点の笑顔でしゃべりかけてくる死神の光希くん!




「唯 おはよ〜」


「おはよ〜じゃないわよ
どうかしなさいよ これ なんかみんなあたしのこと見てんだけど」



「でもそれ俺のせいじゃないじゃん」



「お前のせいだよ!ていうかそもそもなんであたしにだけ喋るわけ⁈他にもいっぱいいるじゃないの
あんたが喋りかけなくても積極的に来る女が」





「いやだ
唯知ってる?あーゆー女の子って香水の匂いがプンプンして気持ち悪いんだよ?」




「なにが「だよ?」よ
その豆知識見たいなものマジでいらないから
さっさとそこをどいて 邪魔よ」




「ツンデレなんだから〜唯ちゃんは」




「誰がツンデレだぁ〜‼」





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