bloody mary
二度も殺されかけた。
放っておけば、何度でも同じことを繰り返すに違いない。
もうご退場願うべきだ。
それに、彼女は『ブラッディマリー』を見た。
下に降りれば、ナニが起こったのかも知るだろう。
『殺す』以外の選択肢はない。
わかってる。
わかってるンだ。
でも‥‥‥
(愛情が残ってる、なんてワケじゃねぇンだケドなぁ…)
理解しがたい感情をもて余す。
アンジェラは自分を利用し、罪を被せ、殺そうとした女を背中に庇ったまま、何も言えずに唇を噛んで項垂れた。
「私の負けみたい、ね。」
不意に女の声がした。
女の持っていた銃が足元に滑ってくるのが、俯いたアンジェラの視界に入る。
「復讐はおしまい。」
ん? ナニ?
フクシュウ? 復習?
「殺せばいいわ、私のことも。
主人を殺したみたいにね。」
…
…
…
ハイ?