蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~



「毎年、慣例で第一か第二の課長が講師を兼ねて行くことになっててね。今年はオレしかいないから、オレと絢乃ちゃんで行くことになるかな?」

「――――っ!」


絢乃はヒィィと背筋を強張らせた。

卓海と一緒、しかも一泊で箱根に行くなどと言ったら慧がどんな顔をするか……。

恐怖で顔を引き攣らせた絢乃に、卓海はニコリと笑って言った。


「ご家族にはちゃんと説明しておいてね? オレ、夜道で刺されるのはイヤだからね?」

「……っっ」


なんだか物凄く嫌な予感がする。

絢乃はがくりと肩を落とした……。


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