蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~

4.赦されぬ恋でも




翌日。

08:30。


絢乃は食堂で朝食が載ったトレーを前にぼーっとしていた。

結局電話は繋がらず……。


「……慧兄……」


考えてみたら、慧と離れるのは去年の年末以来だ。

これまで二人はよほどのことがない限り、夜は一緒にいた。

家に帰れば必ず慧がいてくれる――――。

その安心感はいつしか絢乃の心を深く包み込んでいた。

今は一晩慧と離れるだけで寂しいと思ってしまう。


と、そこに。

ワイシャツにスラックス姿の卓海が姿を現した。

あれから絢乃は個室に戻ってしまったため卓海とは会っていないが、そのげっそりした表情を見る限り、どうやらかなり大変だったらしい。



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