裏切りゲーム

「‥そうなの‥か!」

御曹司っていうのは初耳だ。
確か授業参観のとき金持ちそうな女性がいたのを覚えているが智のお母さんだったのか。

『‥みなさんの所へ行かなくていいんですか?』

「あ!みんなはどこにいるんだ!?」

『体育館のステージ裏でぐっすり寝てると思いますよ』


「そうか!お前やっぱいいやつだな!」


『いいやつ‥ですか?さんざん私に騙されておいて‥』

オレがバックをもちながら智の方を見ると悲しげな顔をして笑っていた。

「まー、悪いやつだという気持ちもなくはないが、オレ小学校の時友だちだと思ってたから」

『‥ッ!!そんな‥うそだ!!』

智は目を大きくさせてこっちを見ていた。その目にうっすら涙を浮かばせている。

「いや、お前いつも本ばっかりみてるから一人が好きなのかと思って話かけなかった」

そういうと智の目から大粒の涙がこぼれおちた。

「じゃ、頑張れよ?お前も‥」

ちょっとカッコつけた捨て台詞を残して
放送室から出た。



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