学童野球物語
亮はよく僕を褒めてくれる。褒められるって気分がいいよね。僕は本当に亮が従兄弟で、そして同じ小学校で良かったと思う。こうしてすぐキャッチボールしたり褒めてくれる人なんかそうはいないよね。

 「どことあたっても絶対勝とうな。俺、港川球場のマウンドで投げたいんだ!」

 僕らの地区はベスト8から港川球場という野球場で試合が行われる事になっている。

そこは小学校の甲子園球場と呼ばれるような球場だ。

ベスト8まで勝ち残ったチームがそこで試合できる。
僕らの港川小学校はベスト8まで勝ち残ったという歴史を聞いた事がない。

 「俺も港川球場で真の球を受けたい」

 亮は本当に嬉しいことを言ってくれる。夕日が落ちるまでキャッチボールを続けた。

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