雪人形
 ある日、隆志を見て、私の母が言った。
「どちらにも似てないね」と。
 そう、隆志は私にも夫にも似ていなかった。私は、そんなことないよと必死にごまかした。夫も別に、疑っている様子はなかった。
 だけど、それからしばらくして、夫の帰りが遅くなりはじめた。

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