おうちにかえろう





だけど…ここは違う。



ただいま、と言わなくても、帰ってきたことを気付いてくれる、入間さんと梅田さんがいる。



ずっと前から私が居たかのように、当たり前に接してくれる、雨宮くんがいる。





「…ん?」




そう言って、優しい笑みで見守ってくれる、雨宮さんがいる。




全部が今までと真逆。



全部が落ち着かない。



…だけど、全部がくすぐったくて、優しい。









「…………ただいま………」






慣れるのかな、これから。



慣れたいな、早く。



知りたいな。



…ここにいる人たちのこと。







「おかえり」




さっきまで掴まれていたはずの頭は気付けば優しく撫でられていて、



大きな手が離れていった瞬間に残ったのは、温もり。








「よーしお前ら、席つけー、飯だぞー」


「やったー!!朔ちゃんのパスター!!!」


「やっぱ食うのかお前」


「美月ちゃん…手洗ってうがいしておいで…」








―――陽だまりみたいなこの場所が、今の私のおうち。






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