おうちにかえろう
雨宮さんに何が分かるっていうの。
私がどんな人生歩んできたかなんて、何も知らないくせに。
確かに、こんなこと口走った私が悪い。
悪いけど。
だけど。
―――事実だもの。
そんなこと言うなって言われても、事実なんだから仕方ないじゃない。
だったら、心配なんてしないでほしい。
一人暮らしさせといたら死ぬって言い出したのはそっちでしょう?
…なのに。
「…ごちそうさまでした」
なんでこんなこと言われなくちゃいけないの。
「本当にお世話になりました。お邪魔しました」
最後まで、顔は見れなかった。
目一杯頭を下げて、2人と目も合わさないまま部屋を飛び出した。
「…檜山…っ」
雨宮くんに呼ばれた気がしたけれど、それも全部無視して。