セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
* * *

私たちが執務室を出ようとした刹那、内線は響き渡った。



「もしもし…藤ヶ谷だ…わかった…繋いでくれ」



藤ヶ谷課長は受話器を肩で挟み込みながら、デスクの資料を手にとっていた。


忙しくなく動く藤ヶ谷課長。


朝といい、さっきの挨拶の為に忙しい時間を割いてくれたコトを申し訳なく思った。



仕事する男性の姿ってカッコいい・・・



それに比べて…部屋で酒を煽る元夫の情けない姿が脳裏に浮かんだ…


情けないと言えば…自分も惨めになる。


そんな男を選んだのは私だから…
< 12 / 227 >

この作品をシェア

pagetop