セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
「マ…マ?」



「ゴメンなさい…ママ…ちょっと…疲れてるの…」


理沙は何も言わずランドセルに今日の時間割で使用する教科書とノートを入れ始める。



孝典さんを父親のように慕う理沙には別れた事実を告げるのは酷だった。



でも、このまま黙っていても…何れ理沙も…



「ママ…ねんねしてて…わたし一人でいけるから…」


「ゴメンね…理沙」


私はランドセルを背負い、玄関先に急ぐ理沙を抱き締める。



「…私…もう一度…理沙の為に頑張るから…」



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