セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
エントランスにはアンティークな調度品が並んでいた。



「亡くなられた先代の当主の趣味だ…」



「孝典君…待っていたよ」



藤ヶ谷社長夫妻が奥から出て来た。


孝典さんに似て整った顔にダンディな雰囲気。


奥様も優しそうな雰囲気だった。




子供たちは珠希さんが別の部屋に誘導して、私と孝典さんは奥の応接間に通された。



「…事後報告になりましたが…昨日…婚姻届を提出して俺たちは結婚しました…」



「おめでとう…孝典君」



「もう一つ…報告があります…」




「何だ?」



「…俺は藤ヶ谷の姓を名乗らず…妻の杏の姓である永瀬になりました」



「孝典君…!?」



それには藤ヶ谷社長も驚いた。


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