あたしの証【完結】
煌びやかな世界
車をしばらく走らせて、到着したのは新宿歌舞伎町。


買い物するにしても、原宿とか代官山とかだからここにあたしは来たことなんかない。
思い切り場違いな気がして、小さくなる。

けど、ゆうやがそんなあたしに気付くと優しく手を引いてくれた。


「大丈夫、あんたは十分綺麗だから」


嘘偽りないその言葉にあたしは自信が出てくる。


「うん、緊張はしてるけど…頑張る!」

「ははっ!何頑張るんだよ。
俺はホストなんだから、頑張るんなら俺だろ」

「あ、そか」


まだ笑ってるゆうや。

初めて行くホストクラブ。
そこであたしは煌びやかな世界を体験する。



「いらっしゃいませ~!!」


ちゃらちゃらした雰囲気の男の人が数名で迎えてくれた。
それと同時にゆうやに挨拶をしている。


「オーナー、おはようございます!」


…オーナー?




オーナー??????

えええ?
って、まじで?
だから、こんな羽振りよかったの?


ゆうやは一人の男の人に近付くと、声をかけた。


「咲夜、こいつ、俺が来るまでよろしく」

「はい!」

「え?ゆうや、行っちゃうの?」

「ああ、着替えるだけだから、すぐ終わる」


そういうとゆうやは裏へ入って行ってしまった。



ゆうやがいないと一気に不安になる。
あたしは一人では一生生きていけないのだろうか?
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