あたしの証【完結】
忘れることを辞める
――――――……一週間経ってゆうやが退院した。



本当はもっと早く退院出来たはずなんだけど、睡眠不足だったり、過度のアルコール摂取で腎臓の機能が低下してるかって検査したり。
いい機会だからと、ゆうやは色々検査してもらっていた。


検査結果が出るのはまだ少し先だけど。




ゆうやは病院を出るなり、タバコに火を点けた。
ずっと我慢していたらしい。


「あー、まじー」

「まずいなら吸わなきゃいいじゃん」


荷物を持って、タクシーを待ちながらあたしはゆうやに言う。


「いや、わかってねーな。
これがいいんだって」

「ふーん」

「ふっ、お子ちゃまだからな。あかりは」

「はあ?!違うし、あたしだって吸えるし!」


かちんときたあたしはゆうやのタバコを奪い取り、吸い込むと思い切りむせ返った。
げほげほしすぎて、涙が出てくる。
こんなもんのどこがいいのか、本当にわからない。


そんなあたしの姿を見て腹を抱えて笑っているゆうや。
あたしは軽く脇腹にパンチを入れて、タバコを消してやった。

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