弁護士先生と恋する事務員
わいわいと談笑していると、間をおかずにまたドアが開く。
「おはようございます。」
ピシリとスーツを着こなして、爽やかな笑顔で入ってきたのは、安城先生。
安城祐介(あんじょう ゆうすけ)、27歳独身。新米弁護士さんだ。
安城先生の特徴を一言で言うとすれば
「誰が見てもイケメン」
これに尽きると思う。
身長は、剣淵先生より低いから、たぶん178cmぐらい。
茶色がかったサラサラのナチュラルヘア。
二重の大きな瞳。スッとした鼻筋、やや薄めのアヒル口。
歌や演技がうまければ、このまま芸能人になれるんじゃないかっていうくらい整った顔立ちをしている。
男っぽい色気のある剣淵先生とは別のタイプの、一般受けしそうなイケメンだ。
おまけに雰囲気が明るく爽やかだから、事務所を訪ねてきた女性は一様に、安城先生にぽーっとなってしまうくらい。
(そのおかげで、剣淵先生はこの所フラれっぱなしらしいんだけど。)
安城先生は自分のデスクへ向かうと、バッグから必要書類を取り出し早々に仕事の準備を始める。
私は柴田さんと安城先生にコーヒーを配った。
「詩織ちゃんありがとう。詩織ちゃんの淹れてくれたコーヒーはやっぱり美味しいわあ!」
柴田さんが派手に喜んでくれる。
「安城先生、どうぞ。」
「…ありがとう。」
爽やかにほほ笑み私を見る安城先生。
だけど私は、この安城先生がちょっと苦手。
言葉ではうまく言い表せない、女の勘ってやつだろうか。
安城先生も、私の事を嫌っているような気がする。
ほほ笑みの奥に隠された冷めた視線を感じるたび、この人を信用しちゃだめだと私の中の動物並みの本能が警告してくるのだった。
なにはともあれ、これが『剣淵光太郎法律事務所』の全スタッフ。
下町の、ちんまりした法律事務所は
ボスである剣淵先生のざっくりとした人柄もあって
仕事内容のヘビーさとは裏腹に
のほほんとした、アットホームな雰囲気でやっている。
「おはようございます。」
ピシリとスーツを着こなして、爽やかな笑顔で入ってきたのは、安城先生。
安城祐介(あんじょう ゆうすけ)、27歳独身。新米弁護士さんだ。
安城先生の特徴を一言で言うとすれば
「誰が見てもイケメン」
これに尽きると思う。
身長は、剣淵先生より低いから、たぶん178cmぐらい。
茶色がかったサラサラのナチュラルヘア。
二重の大きな瞳。スッとした鼻筋、やや薄めのアヒル口。
歌や演技がうまければ、このまま芸能人になれるんじゃないかっていうくらい整った顔立ちをしている。
男っぽい色気のある剣淵先生とは別のタイプの、一般受けしそうなイケメンだ。
おまけに雰囲気が明るく爽やかだから、事務所を訪ねてきた女性は一様に、安城先生にぽーっとなってしまうくらい。
(そのおかげで、剣淵先生はこの所フラれっぱなしらしいんだけど。)
安城先生は自分のデスクへ向かうと、バッグから必要書類を取り出し早々に仕事の準備を始める。
私は柴田さんと安城先生にコーヒーを配った。
「詩織ちゃんありがとう。詩織ちゃんの淹れてくれたコーヒーはやっぱり美味しいわあ!」
柴田さんが派手に喜んでくれる。
「安城先生、どうぞ。」
「…ありがとう。」
爽やかにほほ笑み私を見る安城先生。
だけど私は、この安城先生がちょっと苦手。
言葉ではうまく言い表せない、女の勘ってやつだろうか。
安城先生も、私の事を嫌っているような気がする。
ほほ笑みの奥に隠された冷めた視線を感じるたび、この人を信用しちゃだめだと私の中の動物並みの本能が警告してくるのだった。
なにはともあれ、これが『剣淵光太郎法律事務所』の全スタッフ。
下町の、ちんまりした法律事務所は
ボスである剣淵先生のざっくりとした人柄もあって
仕事内容のヘビーさとは裏腹に
のほほんとした、アットホームな雰囲気でやっている。