君のいた夏を僕は忘れない
梅雨明け

天気予報

テレビの中の、
名前も知らない人が言っていた。

『今日で梅雨が明けます』と。


ボサボサな髪のまま食パンをかじり、
ただボーっと移り変わっていくテレビ画面を見つめるのは俺、朝比奈真尋の生活の一部。


なんとなく毎日を過ごして、年を重ねた結果、
こんなつまらない人間になってしまった


別にそれはそれで構わないと俺は思っている。
だって普通が一番いいし。

まぁ、俺が高校生兼、モデルていう職業柄そう思うだけなのかもしれないが...。



高校生やってるのは、
みんなが進学してたから
俺もそうしようって思っただけ。

あこがれとかそういうのは特にない。


ただみんなと同じがいいら。
そういう感じの流れだったから。
本当にそれだけ。



モデルやってるのは、
バイト探してたら声かけられて
そうしてだけ。

ラッキーなんて思った。
だって写真とられるだけで金
もらえるし。


でも、楽でもない。
授業サボれるのはいいけど、
補修とかキツイ。



食パンを食べ終えたところで、
近くに置いてあったリモコンで
テレビを消す。



今日は撮影はないから学校。

ハンガーに吊るしたある制服に
腕を通して、寝癖を直して
学校へ向かう。




俺の家は駅から近いので、電車で登校。


日数的にも学校にあまり行ってないから、
友達なんて少なかった。


駅とかでも別に会わないし...。



改札を抜けて、人の多いホームへ向かった。



同じ制服の奴もいたけどみんな知らない顔。



まぁ、友達ってそんなにいらないと思うけど。







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