激甘男子の愛し方


いつも何気なく来てた部屋なのに、今はとても落ち着くことなんて出来ない。



どこに座ればいいかなんて考えたことすらなかったのに……




そんな時、ふっと目に入った一つの写真たて。



そこに写っているのは、真子と寧々さん、そして、まだ元気に笑う真子のお父さん。



幸せそうな真子の笑顔。



幸せそうな家族の風景。




でもそれは真子の親父さんが亡くなってから、簡単に崩れ去った。



真子は泣いて泣いて、笑うことが少なくなった。



だから俺はそんな真子にもう一度家族という幸せな気持ちを思い出してほしくて、真子の家族になろうと思った。



兄として、父として……




真子を誰よりも幸せにしたいと思った。



その気持ちに今も嘘偽りはない。




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