激甘男子の愛し方


「犬っころは家の外が家なのか?」



「……ぇ?」



ふと聞こえた、あいつの声。



「なんで……?」




座り込んでいるあたしの後ろに、紙袋を下げて立っている。




「これさ、うちで今日残ったチョコなんだけど……って、俺の話はあとでいいや。なんで犬っころはここで泣いているわけ?」



「っ……」



拭ってなかった涙に気付き、はっとして涙を拭った。



「あ、あんたには関係ない」


涙を見られた恥ずかしさで、パッと顔を逸らした。



「ふぅーん。そう」



――ドキドキ


含みのある言い方に、意味もわからず胸が高鳴る。




「前から思ってたんだけどさ……。お前って……」




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